CASE 01
双極性感情障害
年齢:40代
性別:男性
- 認定結果
- 障害厚生年金:2級
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- 年金額:約140万円/年
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- 遡及額:―
相談前の
状態
気分が高ぶって活動的になる時期と、何も手につかなくなるような落ち込みの時期を繰り返していた。仕事の継続が困難で、日常生活でも家事ができない日が多くあった。買い物や病院の付き添い、金銭管理など、同居しているご家族が日常的にサポートしている状況。

きっかけ
傷病手当金の支給が終了間近となり、収入が途絶える不安から当事務所のHPをご覧になり、ご相談いただきました。
ご本人からは「手続きの流れがわからず、自分で進める自信がない」とのことで、初回からサポートをご希望されていました。
相談後の対応
まずは、障害年金の請求において重要となる「初診日」の確認から始めました。最初に通っていた病院はすでにカルテを破棄しており、通常の方法では初診日の証明が難しい状態でした。そこで、受診歴や当時の状況を整理し、2番目に通院している医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼。
2番目の病院に初診時の状況が記録されており、証明書に具体的に記載していただいたことで、初診日の特定につなげました。
診断書の依頼前には、ご本人とご家族へのヒアリングを行い、日常生活や症状の変化、支援の内容などを丁寧にまとめた資料を作成しました。通院状況や働けない状態、気分の波による困りごとなど、客観的に伝わるような内容になるよう工夫し、ご本人様経由で医師に提出し、診断書の記載にも反映していただけました。病歴・就労状況等申立書では、病状の経過や日々の生活でできていないこと、支援の具体的な様子を時系列で記載しました。複数回の休職や離職を繰り返していた状況、気分の波によって急に予定を変更してしまうことなども盛り込みました。提出から約3か月後に障害厚生年金2級が認定され、受給が決定。生活の見通しが立ったことで、ご本人も「安心して治療を続けられそうです」と話されていました。
CASE 02
自閉スペクトラム障害
注意欠陥多動性障害
年齢:20代
性別:女性
- 認定結果
- 障害基礎年金:2級
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- 年金額:約80万円/年
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- 遡及額:―
相談前の
状態
人との会話や集団の場面が苦手で、予定や時間を守るのが難しく、仕事が長続きしませんでした。
日常生活でも料理や掃除に手が回らず、ご家族が生活リズムや金銭の管理などを日々支援していました。

きっかけ
就労移行支援事業所の支援員の方から「年金を受けることで生活の安定につながるかもしれません」とアドバイスがあり、当事務所を紹介いただきました。ご本人は対人コミュニケーションに強い苦手意識があり、面談や電話に大きな抵抗があったため、やり取りは主にLINEで行うことになりました。
相談後の対応
まずはLINEでのやり取りを中心に、短文での質問と返信を繰り返しながら、ご本人の生活状況やこれまでの経過を少しずつ整理していきました。一度にたくさんの情報を聞き取るのが難しいため、数日かけてやり取りを重ねる方法で進めました。支援員の方やご家族にもご協力いただき、生活の中での困りごとを具体的に聞き取りました。たとえば、予定を忘れてしまい支援の時間に遅れてしまうことや、買い物で必要のないものを大量に購入してしまうこと、相手の話の意図がつかめず誤解を招いてしまうことなどが日常的にありました。こうした内容をもとに診断書の依頼資料を作成し、ご本人から主治医に提出していただきました。病歴・就労状況等申立書では、出生から現在までの発達の経過や生活上の支援内容を、少し長くなりましたが丁寧に時系列で記載しました。ご本人の特性と、それによって日常生活にどのような支障が出ているかが伝わるよう、具体的な出来事を中心に整理しました。提出から2か月ほどで障害基礎年金2級が認定されました。ご本人からは「LINEだけでできると思わなかったけど、ちゃんと通った。これで就職に向けて準備ができる」と安心された様子でした。今後は、支援員の方と、今後の生活設計を一緒に進めていただく予定です。
CASE 03
てんかん
年齢:50代
性別:男性
- 認定結果
- 障害厚生年金:2級
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- 年金額:約180万円/年
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- 遡及額:約900万円
相談前の
状態
突然のけいれん発作が月に数回起こり、発作後は強い疲労感や混乱が続くため、仕事を一時的に中断せざるを得ないこともありました。発作は前触れなく起こるため、ご家族が発作時の対応や体調の変化の確認などを日常的に支援している状況でした。

きっかけ
長年てんかんの症状と付き合いながら働いており、職場の理解と配慮のもと、何とか勤務を続けてこられました。
ただ、発作のたびに仕事に支障が出ることもあり、「このまま先の生活が続けられるか不安がある」と感じていたそうです。
医師から障害年金の話を聞いたことで検討を始めたものの、「過去の診断書をちゃんと書いてもらえるのか」「カルテが残っているか分からない」と不安を感じていた中で、当事務所のHPをご覧になり、ご相談をいただきました。
相談後の対応
まず、これまでの発作の頻度や内容について丁寧にヒアリングを行いました。てんかんは発作の程度と頻度が等級判断の基準となるため、確認は非常に重要です。ヒアリングの結果、発作は当時から定期的に起こっており、過去に遡って2級に該当する可能性が高いと判断しました。そこで、障害認定日当時に通院していた病院にカルテが残っているかを確認し、「障害認定日当時の診断書」の作成を依頼することにしました。診断書作成をお願いする際には、記録がある発作の程度や発生日を詳細に記載していただくようにお願いし、医師にもその点をご理解いただいた上で診断書を作成していただきました。幸いカルテも残っており、必要な情報が適切に反映された診断書が取得できました。病歴・就労状況等申立書では、てんかんと診断されてから現在に至るまでの経過を丁寧に記載しました。現在も勤務を継続しているものの、職場の理解や家族の支援がなければ継続は難しい状況であること、また発作によって業務を中断することがあることなど、日常的に生じている具体的な困難について整理しました。提出から約3か月後に障害厚生年金2級が認定され、あわせて過去5年分の遡及も認められました。ご本人は「年金が決まったことで、今後も安心して仕事を続けていけそうです」と話されていました。