年次有給休暇の平均取得日数は10.1日

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中央区京橋の社労士石上です。

2019年4月より、年10日以上の年次有給休暇(以下、「年休」という)が付与される労働者に対して、年5日の取得義務化が開始されましたが、これにより、年休の取得が全体的に進んでいるようです。そこで今回は、先日、厚生労働省から公表された「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」の中から、年休の取得状況や計画的付与制度の導入状況について見ていくことにしましょう。

1.年休の取得状況
年休の取得状況について、平成31年・令和元年(または平成30会計年度)の1年間に企業が付与した年休の日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均18.0日(前年調査18.0日)となりました。そのうち労働者が取得した日数は10.1日(同9.4日)であり、取得日数は昭和59年以降、過去最多となっています。また、取得率は56.3%(同52.4%)でこちらも過去最高となりました。

2. 計画的付与制度
先ほど述べた年休の取得義務化に確実にするための方法として、計画的付与制度がありますが、これを利用している企業の割合は43.2%となり、前年調査の結果である22.2%から倍増しています。計画的付与日数を階級別に見てみると、「5~6日」が66.6%ともっとも多く、「3~4日」が8.4%、「1~2日」が8.1%と続いています。
なお、計画的付与制度がある企業割合を企業規模別にみてみると、「30人から99人」が42.2%、「100人から299人」が45.0%、「300人から999人」が46.9%、「1,000人以上」が46.4%となっており、企業規模に関わらず制度が導入されていることがわかります。

計画的付与制度とは、労使協定を締結することで、5日を超える年休について計画的に時季を指定することができる制度です。企業全体等で一斉に付与する方法、班・グループ別に交替制で付与する方法、計画表を作成し従業員ごとに付与する方法があります。年休の取得率が低く、年5日の取得義務の達成に苦慮される企業では、計画的付与制度を検討してみてもよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/index.html
厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuuka-sokushin/index.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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